『まったく新しいテクスト分析の教科書』について
『まったく新しいテクスト分析の教科書』を読みました。昔から読書感想文が苦手で、何を書けばいいのかどう読めばいいのかさっぱりわからなかった僕にはとても勉強になりました。
テクスト分析とは「分解⇄統合⇄解釈の反復を経て読者の理解を更新するような独自性を提出すること」とのこと。分解とはテクストに含まれる要素を洗い出すこと。統合とは分解した要素を取捨選択し要素の間を関係性で結びつけること(「つまり一言で言えばxxx」とまとめること)。解釈とはテクストから飛び出して非自明な主張をすること(「であるならばxxxともいえる」と飛躍させること)。分析のなかで最も重要なのは質のいい統合原理(テクストの見方を規定する視座)を見つけること。多くの要素を説明できる、独自性のあるものを見つけること。
構成の基本的構造を教えてくれるのも助かりました。一万〜二万字で論文、三千〜四千文字でセクション、五百〜千文字でパラグラフを構成して、セクションはタイトルを持ち、セクションのタイトルは統合原理を示す。ブログであれば、大きくともセクション単位で記事は分割するとよさそう。
僕の座右の書の一つである『本を読む本』と似たようなテーマかなと思ったけれど、全く違いました。『本を読む本』は本を通じた著者の主張を吟味する手法なのに対して、『まったく新しいテクスト分析の教科書』はテクストを通じた新たな主張を作る手法の本でした。プロダクトマネジメント系の本で言うと、『解像度を上げる』と近い本でした。
プロダクト分析にも使えるところはあると思います。LPやプレスリリース、プロダクトをテクストとして分解⇄統合⇄解釈することでかなり解像度を高めることができると思います。ただし、大きく違うところは、テクスト分析は読者の理解を更新するような新たな見方を提示することそれ自体が価値になるのですが、プロダクト分析は分析それ自体では価値を生みださず、自分のプロダクトに転嫁し顧客に喜んでもらわないと価値提供にならない点です。だから、凝った分析や独自性を追求することにこだわりすぎてもいけないですね。